今日も京都の隅っこから

京都の隅っこの大学生

練習艦「やまゆき」大阪港で一般公開!ブリッジで操舵もできました

海の日のイベントといえば海自の一般公開。関西周辺では護衛艦「かが」が敦賀に、練習艦「やまゆき」が天保山に、そして「しまゆき」が姫路にやって来ました。
京都からだと敦賀か大阪かで迷うところですが、「かが」は甲板以外見せてくれないみたいですし、試験前で遠出できないこともあって大阪に行きました。


「やまゆき」は昭和59年に「はつゆき型」護衛艦として進水し、東日本大震災災害派遣でも活躍したベテラン艦艇。晩年は練習艦として余生を送っていましたが、ついに今年引退するとのこと。


f:id:antonov-24:20190802041010j:plain:w500
メトロで大阪港駅へ。9時からの公開ですが、念のため1時間以上前に着きました。


f:id:antonov-24:20190802041102j:plain:w500
海遊館からお目当ての「やまゆき」が見えます。海の日を祝って満艦飾でお出迎えしてくれました。満艦飾とは艦艇が祝意を表すために信号旗を連ねて掲揚すること。


f:id:antonov-24:20190802041148j:plain:w500
「はつゆき型」護衛艦の特徴ですが、煙突がとてつもなく巨大です。


f:id:antonov-24:20190802041248j:plain:w500
案の定すでに20人ぐらい並んでいます。満艦飾は滅多に見られないので、皆さんパシャパシャ写真を撮っていました。自分も初めて見ましたが、カラフルで美しいです。


f:id:antonov-24:20190715150225j:plain:w500
f:id:antonov-24:20190802041644j:plain:w500
いよいよ乗艦開始。海上自衛隊の隊員が敬礼で迎えてくれます。




まずは前甲板へ。「やまゆき」の主砲の76ミリ単装速射砲です。なんでも16キロ先の標的も狙えるのだとか。ここからですと神戸ぐらいまで届くでしょうか。


f:id:antonov-24:20190802041732j:plain:w500
こちらは潜水艦攻撃用の74式アスロックランチャーなるもの。パラシュートで海面に達した後は自動で潜水艦を追尾するそうです。


f:id:antonov-24:20190802041905j:plain:w500f:id:antonov-24:20190802041923j:plain:w500f:id:antonov-24:20190802041945j:plain:w500
実際に動かしてくれました。こんなので狙われたら一溜まりもありません。


f:id:antonov-24:20190802042059j:plain:w500
動画の挙げ方わからないので写真で申し訳ありませんが、スゴイ速度で回転します。


f:id:antonov-24:20190802042216j:plain:w500
サメに注意ww


f:id:antonov-24:20190802042402j:plain:w500f:id:antonov-24:20190802042426j:plain:w500
こちらは甲板に取り付けられた魚雷の発射管。


f:id:antonov-24:20190802042647j:plain:w500f:id:antonov-24:20190802042711j:plain:w500
船の両舷には艦対艦ミサイルが、そして艦尾には地対空ミサイルが備え付けられています。意外と小型です。ミサイルってもっと大きいものを想像していました。


f:id:antonov-24:20190802042828j:plain:w500

広報の人に呼び止められ、アンケートに答えたら、特別に船内を見せてくれました。
まずは急な階段を上って艦橋甲板に向かいます。停泊していても登るのに一苦労するのですから、外海に出たらもっと大変だろうと思います。


f:id:antonov-24:20190802042923j:plain:w500
対空レーダーと対潜レーダー、そして機関砲がすぐそこに!


f:id:antonov-24:20190802042951j:plain:w500
双眼鏡は高性能で、対する船の操舵室の様子も分かるようにできています。天保山の観覧車の中も丸見えなので護衛艦が近くを通る時は注意して下さい、だそうですw



マストに鯉のぼりが出ています。なんでもこの艦の愛称が「ライジング・カープ(鯉)」だからだとか。初代艦長がカープファンだったそう。


「タイガースの地で言うのもなんですが」と案内の方が言うと大爆笑になりました。


f:id:antonov-24:20190802043120j:plain:w500
いよいよブリッジです!まさかここに入れるとは思いませんでした。
普通の船の操舵室ですら見たことないのに。


f:id:antonov-24:20190802043220j:plain:w500f:id:antonov-24:20190802043231j:plain:w500
イスは階級によって色分けがなされています。赤と青のツートンカラーは二等海佐の席、赤は艦長である一等海佐の席です。座ってみると結構フカフカです。


f:id:antonov-24:20190802043347j:plain:w500

f:id:antonov-24:20190802043430j:plain:w500

なんと操舵管を触ってもいいとのこと!「150度ヨーソロ!やまゆき出港!!」ってな感じでしょうか。


「面舵一杯」とは右に30度船体を傾けることだそうです。実際にハンドルを握って「面舵いっぱーい」やってみましたが、めいいっぱいハンドルを回さなければいけません。航海長の大変さを身をもって体感しました。本当に操舵は疲れるだろうな。



f:id:antonov-24:20190802043630j:plain:w500
羅針盤は意外にも大きいです。直径50cmはあります。


f:id:antonov-24:20190802043721j:plain:w500
艦長は普段こんな景色を見ているんですね。素晴らしいです。



機関室が船の心臓だとしたら、操舵室は脳みそでしょうか。色々な機材で埋め尽くされていて圧巻でした。隊員の方が丁寧に説明してくださったので面白かったです。



さて、続いては階下の艦内食堂と操縦室、そしてヘリコプター甲板に向かいます。


f:id:antonov-24:20190802044933j:plain:w500

f:id:antonov-24:20190802045003j:plain:w500
ハッチ付きの梯子をいくつも下りて、一番下の階まで着きました。
機関室を冷やすために冷房ガンガンになっています。



f:id:antonov-24:20190802045035j:plain:w500
廊下には木片が置いてあります。被弾した時に浸水部を塞ぐためのものだそうです。
海自の学校では浸水部にあわせて木片を切り抜く訓練もするのだとか。



f:id:antonov-24:20190802045135j:plain:w500
船の中にはいくつもハッチがあって、万が一浸水しても被害を最小限に食い止めることができるようになっていました。



f:id:antonov-24:20190802045207j:plain:w500
操縦室にやってきました。ここでエンジンをコントロールしています。「やまゆき」が属する「はつゆき」型護衛艦のエンジンはロールスロイス製だそうです。ロールスロイスって自動車だけでなく船舶や航空機のエンジンも造っているんですね。



f:id:antonov-24:20190802045246j:plain:w500
食堂にも案内して頂けました。定員130人分の食事を一度につくるのだとか。
もちろん金曜日のメニューはカレー!イベントによっては振る舞うこともあるそう。



f:id:antonov-24:20190802045426j:plain:w500


f:id:antonov-24:20190802045537j:plain:w500
さて、再びハシゴを登ります。登った先はヘリコプター甲板になっていました。


ヘリは常備しているのではなく、任務で必要なときに空自に要請するそうです。洋上で着艦してはじめて艦の指揮下に入るのだとか。格納庫上の電光矢印はヘリ誘導灯。



f:id:antonov-24:20190802045630j:plain:w500
甲板にはレールが敷かれており、着艦したヘリを格納庫へ誘導します。


f:id:antonov-24:20190802045747j:plain:w500f:id:antonov-24:20190802045813j:plain:w500
やっぱり満艦飾は綺麗。なかなか見られる機会が無いのでラッキーでした。




f:id:antonov-24:20190802045945j:plain:w500
桟橋では舞鶴音楽隊の生演奏が行われていました。締まっていてかっこいい!


「ゆず」の曲でデュエットも披露してくれました。なかなか上手いです。
動画挙げている人がいたのでリンクさせておきます。

www.youtube.com

吹奏楽を続けたいから自衛隊に入る人も多いそうで、演奏のレベルも高い!観衆もノリノリで大変盛り上がって、自分も長いこと聴き入ってしまいました。


f:id:antonov-24:20190802050123j:plain:w500f:id:antonov-24:20190802050110j:plain:w500f:id:antonov-24:20190802050248j:plain:w500
埠頭では大阪南港にあるクラシックカーミュージアムの展示も行われていました。護衛艦クラシックカーっていうのは何とも不思議な組み合わせ。




今回の一般公開は、船に関する予備知識も無くふらっと行ってみただけだったのですが、隊員の方が丁寧に解説してくださったので楽しめました。「やまゆき」は今年除籍とのことですが、備品は再活用するそうです。その後は標的艦になるのでしょうか?10月の観艦式に出るのが最期になるかもしれません。