列車は1日3本のみ!芸備線一番の秘境駅に行ってみた
(前記事へ:方谷駅と桜)
ついに来てしまった、1日の平均乗降客数が0人にして、列車が1日に3往復しか来ないJR芸備線の内名駅。乗ってきた列車が森の彼方へと消えていってしまうと、辺りは静寂に包まれる。ただ一人、ホームの上でぽつんと立っている自分がいた。寂しいような、でも少しわくわくするような、不思議な気持ちだ。
とりあえず周辺散策に出発!
駅前には川が流れており、橋一本で対岸の集落と繋がっている。
川はとんでもないほど透き通っており、川底が見え見えだ。
橋を渡ると生活道路に出る。「内名駅こっち」と看板が出ていた。
看板そばの森の中にお社があった。八雲神社だ。
以上、散策終了!これ以外何にもない!!
今度は駅探索だ。
駅はホームがひとつだけ。駅舎はなく、小屋のような待合室がぽつんとある。
ちょうど見回りに来られた自治会の方にお話を伺えたのだが、このようにお花を飾ったりして駅をきれいにしているらしい。見る人も少ないだろうになんと粋な…
小屋の中にはこんな感じで駅ノートがかかっている。
自治会の方の善意で、こんなうれしいお土産も置いてある。
でました1日3本の時刻表!都会に住んでいる人はもっとゆとりを持とうよ。駆け込み乗車しなくても、ここと違って数分待てば電車が来るのだから(笑)
で、暇になった。
最初は内名駅から隣の備後八幡駅まで歩こうと思っていたのだが、列車の中から見た限りだいぶ距離がありそう。さっき方谷駅でやらかしたばかりだが、今度こそ列車に乗り遅れたら野宿である。こんなところで一夜を明かしたら何が出るか分からない!というわけで大事を取って内名駅にとどまることにしたのだった。
それにしても暇である。
列車まで30分はあったので駅ノートにイラストを描かさせてもらった。この日は4月だというのに関東では夏日!ここ広島もとっても暑い一日だった。
というわけで適当にアイスクリームを持った子供の絵を殴り描き。とても人に見せられる代物ではないが、もう描いてしまったのだから仕方ない。すでに回収不可能だし。
中国山地の秘境駅で自分の黒歴史となるだろうイラストが増殖中だ…
あ、仮に列車が1日3本だとしても、よい子は真似をしないでもらいたい。ホームに座るとかホント危険だから(笑)
こんな馬鹿げたことをしている間に列車が来る10分前になった。最後にこの田舎に別れを告げようと川を見に行く。
こんな何もない所でも別れるのが名残惜しくなるから不思議だ。
ついに列車がやって来てしまった。あんなに待ち遠しく思っていたのに、いまではちょっと恨めしい。なぜだろうか?日常に戻るのが怖いのだろうか。
あいかわらず車内から見える川はきれいである。
伯備線岡山方面の列車まで1時間近くある。せっかくなので行きの列車から見えたこの桜がきれいな山まで行くことにした。
新見に来るのは2回目だが、静かできれいな町なので気に入っている。とくに観光名所はないけど。
この先どんどん時代が変わっていっても、岡山の田舎はずっと昭和っぽさが残っていたままでいてほしい。来る度に本当にほっとする。一番大好きな県のひとつだ。
こんな趣のある路地を通って、先ほどの山へ通じる道があった。
逆光なので全然いい写真ではないが、桜はとてもきれいだった。上から見渡す新見の町もまたいい。
そろそろ電車の時間なので駅へ戻る。
帰りの電車からも桜がきれいに見えた。沢山植わっている桜もいいけど、ぽつぽつ咲いている山桜なんかも趣があって最高。
ここからは普通に桃太郎線と山陽本線・東海道本線を乗り継ぎ、京都に帰ってきたのは23時近く。なかなか楽しい一日だった。
余談になるが帰りに岡山駅で買った駅弁の話。
岡山に行くときはいつもこの「せとうち日和」という弁当を買ってしまう。本当は毎回同じではなくいろいろ試せばいいのだが、どうしてもこの味を忘れることはできないので、つい手が伸びてしまうのだ。
1000円でこんなにもたくさん詰まっている。とくに穴子のおいしさときたら舌がとろけるよう。岡山へ行く楽しみのひとつだ。
ああ、記事を書いていたらまた岡山に行きたくなった。でももう新学期!だけどこれを乗り切れば自由の夏休みだ!どこにいこうかなぁ~(典型的な脳天気大学生)